二十代の頃の私は、友人たちとの飲み会が大好きでありながら、一杯のビールですぐに顔から首にかけて赤い斑点が出てしまうことに強いコンプレックスを感じていました。周囲が楽しそうに杯を重ねる中で、私だけが茹で上がったタコのように真っ赤になり、何度も「大丈夫?」と心配されるのが苦痛でなりませんでした。当時の私は、お酒に強くなればこの斑点も出なくなるはずだと信じ込み、無理をして飲み続けた時期もありました。しかし、どれだけ回数を重ねても斑点が出る体質が変わることはなく、むしろ翌日の激しい二日酔いや体調不良に悩まされるだけでした。ある時、病院で自分の体質について相談したところ、それが遺伝的な酵素の欠如によるものであることを教えられました。努力や根性で変えられるものではないと知ったとき、不思議と心が軽くなったのを覚えています。それからの私は、赤い斑点を隠そうとするのではなく、斑点が出ないようにコントロールする「賢い飲み手」を目指すようになりました。まず実践したのは、飲み会の開始三十分前にウコンやヘパリーゼといった肝機能を助ける飲料を飲むことでした。これが私には非常に合っていたようで、斑点が出るまでの時間を稼ぐことができるようになりました。また、居酒屋では必ず最初に温かいウーロン茶や食べ物を注文し、胃を保護してからお酒を一口飲むようにしました。さらに、自分の斑点が出やすい場所を把握し、赤みが目立ち始めたらさりげなくソフトドリンクに切り替える潔さも身につけました。今では、赤い斑点が出ることを自分の体質という個性として受け入れています。斑点が出るのは、私の体が「今日はここまでだよ」と教えてくれているバロメーターなのです。無理をして周囲に合わせるよりも、自分の体の声を聞きながらお酒を味わうほうが、結果として深いコミュニケーションを楽しめることに気づきました。同じように悩んでいる方がいれば、どうか自分を責めないでください。赤い斑点はあなたの弱さではなく、繊細で正直な体の反応なのです。その反応を尊重しながら、自分なりの楽しみ方を見つけていく過程こそが、真の大人のお酒の嗜み方なのだと私は信じています。