キッチンの隅や棚の上、普段あまり目の行かない場所に、黒くて小さな米粒のようなものを見つけた経験はありませんか。それがもし一個だけであっても、決して見過ごしてはいけません。それは、ねずみがあなたの家に侵入したことを示す、最初の、そして非常に重要なサインかもしれないからです。たった一個のふんを発見した時、多くの人は「たまたまかな」とか「何かのゴミだろう」と片付けてしまいがちですが、その安易な判断が後々の大きな被害につながる可能性があります。まず、その物体が本当にねずみのふんかどうかを見極めることが重要です。一般的に、家に出るクマネズミやハツカネズミのふんは、長さが四ミリから十ミリ程度で、色は黒色か茶褐色、形は細長く両端が尖っているのが特徴です。新しいものは柔らかく光沢がありますが、時間が経つと乾燥して脆くなります。もし、これがねずみのふんだと判断した場合、次に行うべきは安全で衛生的な処理です。絶対に素手で触ってはいけません。ねずみのふんには、サルモネラ菌やハンタウイルスなど、人体に有害な病原菌が付着している危険性があります。必ず使い捨ての手袋とマスクを着用し、ペーパータオルなどでふんを直接触れないように拾い上げ、ビニール袋に入れて口をしっかりと縛ってから廃棄してください。その後、ふんが落ちていた場所とその周辺を、アルコール系の除菌スプレーや次亜塩素酸ナトリウム溶液で丁寧に拭き上げ、消毒することも忘れてはいけません。たった一個のふんを処理するだけですが、この一連の作業を徹底することが、感染症リスクから家族を守るための第一歩となるのです。そして、掃除が終わったら安心するのではなく、これが始まりの合図だと認識を新たにすることが何よりも大切です。