日常のふとした瞬間に、鏡に映る自分の目に違和感を覚えることがあります。充血しているわけではないのに、どことなく重たげで、目を閉じると上まぶたの裏に小さなゴミが入っているような、かすかなゴロゴロ感が消えない。そんな時、まぶたを少し裏返してみて、内側の粘膜にポツリと現れた赤い膨らみを見つけたなら、それはまぶたの内側にものもらいが始まりかけている合図かもしれません。最初は痛みというよりも、不快な摩擦感として現れることが多いこの異変は、時間の経過とともに明らかな存在感を持ち始めます。健康な時のまぶたの裏側は滑らかで綺麗なピンク色をしていますが、ものもらいができ始めると、そこだけが局所的に盛り上がり、周囲の血管が浮き出てきます。この段階で気づくことができれば、重症化を防ぐための迅速な対応が可能になります。多くの人は、この違和感を「寝不足のせいだろう」とか「コンタクトが汚れているだけだ」と軽視してしまいがちですが、内側で起きている炎症は、目に見えないところで静かに進行しています。やがてその膨らみが硬いしこりとなれば霰粒腫へ、赤みが増して激痛を伴うようになれば麦粒腫へと姿を変えます。内側のものもらいは、外側のものよりも眼球の表面、すなわち角膜を直接刺激するため、放置すると角膜を傷つけたり、視界がかすんだりする二次的なトラブルに繋がることもあります。だからこそ、初期の小さなサインを見逃さないことが大切です。鏡を見て「いつもと違う」と感じたなら、それは体が発しているSOSだと受け止めてください。この段階で、まずは目を休ませ、汚れた手で触らないように意識するだけでも、その後の経過は大きく変わります。また、自分がどのような時にこの異変を感じやすいかを知っておくことも、自己防衛には欠かせません。季節の変わり目、仕事の繁忙期、あるいは特定の化粧品を使った後など、パターンが見えてくれば予防はさらに容易になります。まぶたの内側の小さな変化に敏感になることは、単に目の病気を防ぐだけでなく、自分の全身のコンディションを把握することにも繋がります。瞳は心の窓と言われますが、まぶたの裏側は健康のバロメーターです。毎朝の洗顔のついでに、鏡の中で自分の目と対話し、その小さな声に耳を傾ける余裕を持ちたいものです。
鏡を見て気づくまぶたの内側の小さな異変