溶連菌感染症の治療から一週間後など、回復期に現れる発疹。その原因が薬疹であれ、他のウイルス感染であれ、子供にとってつらい症状の一つが「かゆみ」です。発疹そのものは時間とともに必ず治っていきますが、それまでの間、かゆみを少しでも和らげ、掻き壊しを防いであげるためのホームケアが重要になります。まず、最も大切なのは「掻かない、掻かせない」ことです。掻き壊してしまうと、そこから細菌が入り込んで二次感染を起こし、とびひになったり、痕が残ってしまったりする原因になります。子供の爪は常に短く、角が丸くなるように切っておきましょう。無意識に掻いてしまうのを防ぐため、夜寝る時には、薄手の綿の手袋をさせてあげるのも良い方法です。かゆみが強い部分を、冷たい水で濡らした清潔なタオルや、タオルで包んだ保冷剤などで優しく冷やしてあげると、一時的にかゆみが和らぎます。ただし、冷やしすぎには注意してください。次に入浴ですが、熱いお湯に浸かると、血行が良くなり、かえってかゆみが増してしまうことがあります。お風呂は避け、ぬるめのシャワーで汗や汚れをさっと洗い流す程度にしましょう。石鹸やボディソープは、低刺激性のものをよく泡立て、手で優しく撫でるように洗います。ナイロンタオルなどでゴシゴシ擦るのは厳禁です。シャワーの後は、柔らかいタオルで水分をそっと押さえるように拭き取ります。服装にも気を配りましょう。肌への刺激が少ない、ゆったりとした綿素材の衣類を選び、縫い目やタグが直接肌に当たらないように裏返して着せるなどの工夫も有効です。汗をかいたら、こまめに着替えさせて、肌を常に清潔で乾いた状態に保つことが大切です。もちろん、これらのホームケアと並行して、医師から処方されたかゆみ止めの飲み薬や塗り薬を正しく使うことが大前提です。家庭でのきめ細やかなケアが、子供の不快感を軽減し、皮膚をきれいに治すための大きな助けとなります。
溶連菌の回復期に出た発疹のホームケア