-
風邪と蕁麻疹のダブルパンチ!つらい時のセルフケア
高熱で体はだるいのに、全身の激しい痒みで眠ることもできない。風邪と蕁麻疹のダブルパンチは、経験した人にしかわからない、本当に過酷な状態です。病院で薬をもらうことが大前提ですが、それと並行して、自宅でできるセルフケアを工夫することで、つらい症状を少しでも和らげ、快適に過ごす時間を増やすことができます。まず、蕁麻疹の痒み対策で最も効果的なのが「冷やす」ことです。痒みを感じる神経は、温まると活性化し、冷やすと働きが鈍くなります。痒みが強い部分に、タオルで包んだ保冷剤や、ビニール袋に入れた氷などを優しく当ててみましょう。心地よい冷たさが、痒みの感覚を麻痺させてくれます。ただし、冷やしすぎると凍傷になる可能性もあるため、一回十五分程度を目安にしてください。全身が痒い場合は、冷たいシャワーをさっと浴びるのも効果的です。次に、衣類や寝具の「素材」に注意しましょう。肌に直接触れるものは、化学繊維やウールといった刺激の強い素材を避け、通気性と吸湿性に優れた綿(コットン)100%のものを選ぶのが基本です。体を締め付けるようなタイトな服も、摩擦で痒みを誘発するため、ゆったりとしたデザインのものを選びましょう。食事については、香辛料やアルコール、ヒスタミンを多く含む食品(サバやマグロなどの青魚、タケノコ、ほうれん草など)は、蕁麻疹を悪化させる可能性があるため、症状が落ち着くまでは避けた方が無難です。消化が良く、温かいスープやおかゆなどで、体を内側から労わってあげましょう。そして、精神的な「ストレス」も蕁麻疹の大きな増悪因子です。「痒い、痒い」と意識すればするほど、痒みは増していきます。好きな音楽を聴いたり、穏やかな映画を見たり、読書に没頭したりと、痒みから意識をそらす工夫をしてみましょう。もちろん、風邪を治すための十分な「休養と睡眠」も不可欠です。痒くて眠れないかもしれませんが、医師から処方された抗ヒスタミン薬には、眠気を伴うものも多いです。それを上手に利用して、体を休ませてあげましょう。これらの地道なセルフケアが、つらい時期を乗り切るための、あなた自身の力となるのです。
-
自分で削るのは危険!魚の目・タコの正しいセルフケア
足の裏にできた魚の目やタコ。痛いし、見た目も気になるからと、自分でカッターや爪切り、軽石などで削ってしまおうと試みた経験はありませんか。しかし、この自己流のケアは、症状を悪化させたり、思わぬトラブルを引き起こしたりする非常に危険な行為です。専門家が警鐘を鳴らす、その理由を知っておきましょう。まず、最大の危険は「感染」のリスクです。自分で角質を削ると、力加減が分からずに健康な皮膚まで傷つけてしまいがちです。足の裏は、常に体重がかかり、靴の中で蒸れやすいため、雑菌が繁殖しやすい環境です。その小さな傷口から細菌が侵入すると、化膿して赤く腫れ上がり、歩けないほどの激痛を伴う「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」などの重篤な感染症を引き起こす可能性があります。特に、糖尿病や血行障害のある方は、足の傷が治りにくく、感染から壊疽(えそ)にまで至る危険性もあるため、絶対に自分で削ってはいけません。次に、「症状の悪化」という問題があります。魚の目の場合、痛みの原因である芯は皮膚の深くに食い込んでいます。これを無理やりえぐり出そうとすると、周囲の組織を傷つけ、炎症をひどくしてしまうだけです。また、不適切な刺激が加わることで、皮膚はさらに防御反応を強め、以前よりももっと厚く、硬い角質を作ろうとしてしまいます。結果として、魚の目がさらに深くなったり、タコがより広範囲に広がったりと、悪循環に陥ってしまうのです。さらに、「誤診」のリスクも無視できません。足の裏にできる固いものは、魚の目やタコだけではありません。ウイルスが原因の「尋常性疣贅(イボ)」は、見た目が非常によく似ていますが、これを削るとウイルスが周囲に飛び散り、イボの数を増やしてしまうことになります。正しいセルフケアの基本は、「削る」のではなく「柔らかくする」ことです。市販のサリチル酸絆創膏や尿素配合のクリームなどを使い、角質を優しく軟化させましょう。そして、何よりも大切なのは、足に合った靴を選び、足裏への負担を減らすこと。それでも改善しない、あるいは痛みが強い場合は、迷わず皮膚科を受診し、専門家による安全で的確な処置を受けることが、結局は一番の近道なのです。
-
自分で治せる?ばね指に効くストレッチと注意点
指の付け根の痛みや、軽い引っかかりを感じ始めたばね指の初期段階であれば、医療機関での治療と並行して、自宅でできるセルフケアを取り入れることで、症状の改善や悪化の予防が期待できます。特に、腱や筋肉の柔軟性を高めるストレッチは有効な手段の一つです。しかし、やり方を間違えると、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあるため、注意点をよく理解した上で、慎重に行いましょう。ばね指に推奨される代表的なストレッチは、指を曲げる「屈筋腱」と、その周りの筋肉を優しく伸ばすものです。簡単な方法としては、まず、痛む方の手のひらを上に向け、反対側の手を使って、ばね指になっている指を手首の方へ、ゆっくりと優しく反らせていきます。「痛いけど気持ちいい」と感じる程度で止め、十五秒から三十秒ほどキープします。これを数回繰り返します。この時、絶対に無理やり強く反らせたり、反動をつけたりしてはいけません。強い痛みを感じる場合は、炎症が悪化するだけなので、すぐに中止してください。また、指を伸ばす「伸筋腱」とのバランスを取ることも大切です。テーブルなどの平らな面に手のひらを置き、指をできるだけまっすぐに伸ばした状態を保つ、というストレッチも効果的です。日常生活の中では、指の曲げ伸ばしだけでなく、指を一本一本開いたり閉じたりする「パー」と「グー」の運動を、ゆっくりと行うのも良いでしょう。そして、ストレッチ以上に重要なのが、「温める」ことです。指の使いすぎで炎症が起きている急性期は冷やすのが基本ですが、症状が慢性化し、朝のこわばりなどが気になる場合は、入浴中や、蒸しタオルなどで手を温めながらストレッチを行うと、血行が良くなり、腱や筋肉がほぐれやすくなります。ただし、これらのセルフケアは、あくまで症状の緩和や予防を目的としたものであり、根本的な治療ではありません。ストレッチをしても痛みが改善しない、あるいは引っかかりがひどくなる場合は、腱鞘の炎症がかなり進行しているサインです。自己判断でケアを続けず、必ず整形外科を受診し、専門医の診断と治療方針に従ってください。