2025年10月
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かかと痛の王様!足底腱膜炎が最も多い原因です
朝、ベッドから降りて最初の一歩を踏み出した瞬間、かかとに「ズキッ」とした鋭い痛みが走る。しばらく歩いているうちに痛みは和らぐけれど、また長時間座った後などに動き始めると痛みがぶり返す。もし、このような症状に心当たりがあるなら、あなたのかかとの痛みの原因は「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」である可能性が非常に高いです。足底腱膜炎は、足の裏にある「足底腱膜」という、かかとの骨から足の指の付け根までをつなぐ強靭な膜状の組織に、過度な負担がかかることで微細な断裂や炎症が起こる病気です。この足底腱膜は、足のアーチ(土踏まず)を支え、歩行やランニング時の衝撃を吸収する、いわば天然のサスペンションのような重要な役割を担っています。しかし、加齢によってこの腱膜の柔軟性が失われたり、長時間の立ち仕事や急な運動量の増加、あるいはクッション性の悪い靴を履き続けることなどで、その許容量を超える負担がかかり続けると、悲鳴を上げてしまうのです。特に、かかとの骨に付着する部分は、構造的に最もストレスが集中しやすいため、炎症が起こりやすい場所となっています。痛みの特徴は、なんといっても「動き始めの一歩目」に強く現れることです。睡眠中や安静にしている間に、硬く縮こまっていた足底腱膜が、急に引き伸ばされることで痛みが生じると考えられています。かかとの痛みの原因として最も頻度が高く、まさに「かかと痛の王様」とも言える足底腱膜炎。放置すると痛みが慢性化し、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。まずは、足に過度な負担をかけていないか、生活習慣を見直すとともに、痛みが続く場合は、整形外科を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。