風邪の症状に加えて、全身に蕁麻疹が出てしまった。熱もあって体はだるいけれど、仕事や学校を休むべきか、それとも無理して行くべきか。特に、蕁麻疹が「他人にうつるのではないか」という心配から、判断に迷う方もいるでしょう。まず、最も重要な点として、蕁麻疹そのものは、他人に感染する病気ではありません。蕁麻疹は、アレルギー反応や物理的な刺激によって、自分自身の体内でヒスタミンが放出されて起こる皮膚の症状です。そのため、蕁麻疹が出ている人と接触しても、その蕁麻疹がうつることは絶対にありません。したがって、「蕁麻疹があるから」という理由だけで、学校や仕事を休む必要はありません。学校保健安全法においても、蕁麻疹は出席停止の対象となる疾患には定められていません。しかし、問題となるのは、その蕁麻疹の「原因」です。もし、蕁麻疹が風邪、つまりウイルスや細菌による感染症に伴って出ているのであれば、話は別です。インフルエンザやアデノウイルスなど、感染力の強い病気が原因である場合、当然ながら、他の人にうつしてしまうのを防ぐために、医師の指示に従って、定められた期間、学校や仕事を休まなければなりません。また、感染力の弱い一般的な風邪であっても、高熱やひどい咳、強い倦怠感といった全身症状がある場合は、本人の体を休ませ、回復に専念させるためにも、無理せず休養を取るべきです。体調が悪い中で無理をすれば、免疫力がさらに低下し、風邪も蕁麻疹も悪化してしまう可能性があります。結論として、休むべきかどうかの判断基準は、「蕁麻疹の有無」ではなく、「全身状態と、原因となっている感染症の種類」によります。まず、医療機関を受診して、風邪の原因と、どの程度の休養が必要かを診断してもらうことが大切です。その上で、もし全身状態が良好で、医師からも許可が出ているのであれば、蕁麻疹が残っていても、登校や出勤は可能、ということになります。ただし、見た目が気になる場合や、強い痒みで集中できない場合は、無理せず休むという選択も、もちろん尊重されるべきです。
蕁麻疹が出た風邪、学校や仕事は休むべき?