足の裏にできた、痛みを伴う固い部分。それは、単に足だけの問題だと考えてはいませんか。実は、その魚の目やタコができる「場所」によって、あなたの体全体のバランスがどのように崩れているのか、その歪みを読み解くヒントが隠されているのです。足の裏は、体全体を支える土台です。この土台のどこか一箇所に過剰な負担がかかっているということは、その上にある建物、つまり体全体が傾いている証拠とも言えます。例えば、「親指の付け根」にタコができやすい人は、歩く時に足が内側に倒れ込む「過回内(オーバープロネーション)」の状態になっている可能性があります。これは扁平足の人に多く見られ、親指に過剰な負担がかかるだけでなく、膝や股関節、腰にもねじれのストレスが加わり、膝痛や腰痛の原因となることがあります。逆に、「小指の付け根」にタコや魚の目ができる人は、歩く時に重心が外側に偏る「O脚」や、足の甲が高い「ハイアーチ」の傾向があります。地面からの衝撃をうまく吸収できず、足首の捻挫を起こしやすかったり、足の外側の筋肉が常に緊張していたりします。また、「人差し指や中指の付け根」にタコや魚の目ができるのは、足の横アーチが低下して足幅が広がる「開張足」の典型的なサインです。特にハイヒールを履く女性に多く見られ、指の付け根の神経が圧迫されて痛みやしびれを引き起こす「モートン病」を併発している可能性も考えられます。「かかと」の縁が固くなる人は、サイズの合わない靴でかかとが擦れていたり、歩く時に地面を強く蹴りすぎている癖があったりします。このように、足の裏のトラブルは、まさに体全体のバランスシートのようなものです。その小さなサインを見過ごさず、「なぜ、ここにばかり負担がかかるのだろう?」と考えてみることが大切です。それは、インソールを見直したり、歩き方を意識したり、あるいは骨盤の歪みを整えるストレッチを始めたりと、体全体の健康を見つめ直す、素晴らしいきっかけになるかもしれません。
足裏の痛みが教えてくれる、あなたの体の歪み